不眠症について思うこと

金鯖は不眠症になりました。

四年前の冬の、ある寒い夜に。

 

原因は更年期障害です。

医師に確定診断された訳ではありません。

医者からは、見捨てられました。

金鯖が、「更年期障害」と決めただけです。

還暦を過ぎて、身体の何かが変化したのだと。悪い方に。

そういう状態を世間では「更年期障害」と呼ぶと理解し、自分で自分を「更年期障害」と呼ぶことにしました。

 

四年前のある夜。

体がいきなり、熱くなりました。

暑すぎて、布団を被れません。

布団を剥がせば、寒くて眠れません。

過去にも眠れない夜はありました。

でも、身体が異常に熱くなって眠れない。

こんな異常な経験はありませんでした。

気持ちが焦ってパニックになりました。

こんなドタバタの夜がきっかけとなり、不眠症となりました。

 

「体が熱くなって眠れない。」

内科の医師、心療内科の医師、相談しました。

見捨てられました。

話をまともに聞いてもらえませんでした。

総合病院の検査を受けても無駄だと言われました。

 

その寒い夜から四年が経過した今でも、就寝時に体が異常に熱くなる症状は継続しています。

でも、今では、その症状への対象方法が金鯖の中で確立しています。

冬は冬布団といった既成概念は捨てました。

薄手の夏用羽毛布団、薄手のタオルケットやフリースブランケットを重ねて使っています。

体の要求に応じて、重ねる枚数を調整します。

昨日は、室温12度。

薄手の夏羽毛布団に、フリースブランケット一枚を重ねて寝ました。

・薄手の夏用羽毛布団一枚。

・フリースブランケット三枚。

・薄手のタオルケット二枚。

この三種を組み合わせて、使うことによって、体の声に合わせて調整します。

洋服の重ね着と同じです。

薄い服を重ねる方が温度調整が細かく出来ます。

 

 

四年前の不眠症発症時、酷い状態でした。

毎日、夜になるのが恐怖でした。

毎日、布団の中でモンモンとしていました。

色々と情報を探して、試してみました

・ベッドを変えました。

・風呂の時間を変えました。

・朝、日光浴をしました。

・サプリを飲みました。

・毎日一時間以上、歩きました。

どれも、効果は明確にはありませんでした。

ある日、こういったことに拘っていること自体が、間違いだと感じ、普通の生活に戻しました。

 

眠れない夜もあります。

眠れない夜を怖れながらも、一睡もできない夜は多くありませんでした。

毎日、数時間、布団の中でモンモンと過ごします。それでも、睡眠はありました。

眠たくなって眠るような普通の睡眠はありません。

モンモンと悶える中で、落ちるような睡眠です。

四年経った今も、不眠症は継続しています。

随分と緩和されていますが。

 

その当時、朝の新聞配達が恐怖でした。

モンモンと眠れない夜を過ごすと、朝の新聞配達の音が聞こえてきます。

その音を聞くと、死刑宣告のように思えました。

夜も明けようとしている。

少しでも眠らなくては。

心が焦ります。

その焦る心が嫌でした。

焦ってはいけない。そう分かっていても焦る心。

「焦ってはいけない」そう思う心も。

新聞配達の音は、二重の焦りを突きつけました。

 

不眠症発症当時、安全といわれる睡眠薬を処方されていました。

この睡眠薬、金鯖には効果ありませんでした。

睡眠薬を処方された一日目、睡眠薬の効果で眠ります。

二日目になると、その効果を期待して、頭の状態を意識が注視するようになりました。

そうなると、睡眠薬は効きませんでした。

睡眠薬が効かないことを医者に訴えると、睡眠薬はそんなもんだと言われました。

効かない睡眠薬を飲み続ける意味はありません。

金鯖は、睡眠薬の断薬を決意しました。

断薬をして、不眠症の症状は変わりませんが、断薬できたことは前進でした。

 

その後、不眠症は一進一退を繰り返しながら、薄皮を剥ぐように、徐々に徐々に、四年をかけて改善していきました。

何かをして、改善したという訳ではありません。

時間が不眠トラウマを薄めていきました。

 

不眠症四年の経験から、眠りについて幾つかの気付きがありました。

⚫ どんなに酷い精神状態でも、人は眠る。

 

 

 

⚫ 眠ったか、眠っていないか、それは当人にはわからない。

眠っているとは気を失っている状態。

意識が無い状態。

だから、眠っていたという記憶は無い。

記憶に残るのは眠っていない状態。

だから、記憶を繋ぐと眠っていないことになる。

眠っていないと思っても、実際は眠っていることが多くある。

おかしなことに、不眠症とはフィクションということになる。

実態が無い病気。

実態が認識出来ない病気。

人間の意識というものは、おかしなものだと思う。

自分の意識で自分を傷つける。

 

⚫ 身体が眠りたいとき、人は眠る。

 

⚫ ちょっと熱いよりも、ちょっと寒い方が眠りに入りやすい。