鰯の目

鰯は岸壁に接岸する魚です。

鰯が接岸すると、サビキで大量に釣ることが出来ます。

小さな子供でも簡単に釣ることが出来ます。

魚が大量に釣れると、子供は大喜びです。

 

今から10年ほど前の晩秋の時期に、子供たちと海釣り公園に釣りに行きました。

その海釣り公園では偶々、鰯が接岸しており、子供たちとサビキでの鰯釣りを楽しみました。

竿にサビキと錘をつけただけの簡単な仕掛けを海に落とすと、鰯が群れになって食いついてきます。

その様子が、眼前で手に取るように見えます。子供たちも夢中になって大喜びです。

そんなとき、子供はキャーキャー喜びません。

目が真剣になり、無口になります。

釣りに集中します。

 

そのときは、鰯が釣れているのは我々だけで、周りでもサビキをしているのですが、釣れてはいませんでした。

偶々、我々のサビキが鰯のお好みに合ったようでした。

そのときは、鰯が釣れて面白い反面、周囲の方々には申し訳ないような、そんな気持ちであったことを覚えています。

 

サビキ釣りは、サビキであれば、どんなサビキでも釣れるというわけではありません。

鰯の目の前に、ゆらゆら動くサビキがあっても、無視することが結構あります。

昨日釣れたからといって、今日も同じように釣れる保証はありません。

 

鰯は、接岸する上に、海の上層を遊泳する場合があります。そのようは場合は、鰯がサビキに食いつく様子を肉眼で観察することができます。

これは、面白い見物です。

釣りをしていて、魚が針に食い付く姿を眼に見ることは殆どありません。

 

鰯がサビキを発見します。

鰯の群れが崩れて、サビキに群がります。

そして、サビキに食い付きます。

竿を持つ手に鰯の力が伝わります。

ぐいぐい。ぐいぐい。

 

サビキ釣りは、簡単な釣りです。手軽に楽しめます。

一方、難しい釣りとも言えます。

サビキには多くの種類があります。

同じようにサビキで釣りをしているのに、釣れている人と、釣れていない人がいます。

金鯖がサビキで入れ食いとなっているのに、隣でサビキ釣りをしている釣り人が全く釣れないということも多くあります。

その逆で金鯖が全く釣れないことも。

 

大事なことは魚の眼なんでしょう。

サビキは鰯の眼には、どのように見えているのでしょう。

大きく2つの要素があるように思います。

一つは、サビキの動き。

もう一つは、サビキの色や素材や形。

この二つが合わさって、サビキが鰯の眼に、餌として映るのかどうか。

 

サビキの動きでは、

サビキが動かなければ、無視されます。

水中に漂う餌のように、あるいは、水中を泳ぐ小魚のようにサビキが見えれば、鰯は食らいつきます。

金鯖の経験では、サビキが海の中をゆっくりと下降しているタイミングで、鰯がサビキに食いつくことが多いように感じます。

ゆっくりと下降していると、鰯の眼には、餌と映りやすいのかもしれません。

 

サビキの色や素材や形では、

鰯の場合は、「がまかつの金袖ハゲ皮」というサビキが良く釣れるという印象をもっています。針の大きさは5号、ハリスは細いほど良いように思います。

 

サビキ釣りは、撒き餌をして、魚を集めて釣る方法が主流です。

サビキの上か下に餌かごを着けて、餌かごに撒き餌を詰めて、釣ります。

 

金鯖は、鰯が接岸している場合は、餌かごなしで、サビキに小さな錘を着けて釣ることが好きです。

餌かごを着けると、サビキを自由に動かすことが難しいですし、釣りの仕掛けは少ない方が釣りは楽しいですから。

 

目の前で、鰯がサビキに食いつく様子を眼前に眺めながら釣りをするのは楽しいものです。

軽い仕掛けであれば、魚の動きも感じることが出来ますので、なおさらです。

 

しかし、最近の東京湾は鰯が少ない。

どうしたんでしょう。

鰯は食物連鎖の下層となる重要な魚です。

鰯が少なくなると、鰯を餌とする魚も居なくなります。

東京湾、鯖も少くなりました。