何故、湾岸地域が人気

テレビニュースを見ていると、東京湾岸地域の高層マンションの人気が高いようです。

湾岸地域であれば、交通の便も良いですし、高層マンションからの眺めも素晴らしいでしょう。

その意味では、良く分かります。

しかし、災害への強度という視点で、湾岸地域の高層マンションを眺めると、評価は180度逆転します。

湾岸地域は地盤が脆弱です。

100年に一度というような強い地震が発生すると、震度7強という非常な強度の揺れに襲われます。

マンションは建築基準法に則って建設されているので安心と考える方もいらっしゃると思いますが、その考え方は非常に甘い考え方です。

建設会社が持っている地震の揺れに関するデータは、僅か過去数十年のものです。

そのデータを頼りに、設計しています。

過去数十年に例のない揺れ方の地震が発生した場合、高層マンションが倒壊しないという保証はどこにもありません。

また、設計は正しくとも、施工が正しいとは限りません。

施工は人が行うことですから、当然、間違います。

今の日本人は根拠の無い「日本品質」という言葉を妄信しています。

間違いや手抜きはあり得ないと信じているようです。

しかし、残念ながら、そのようなことはありません。

世の中は、間違いだらけです。

少なくとも、企業での勤務経験のある人は、体で分かっている筈です。

東日本大震災において、高層マンションに居住されていた方は非常に困ったようです。

災害で電気がとまると、エレベーターも止まります。

そうなると、高層マンションの高層階は地獄です。

「朝三暮四」という故事成語があります。高校生の時に、学校で勉強した覚えがあります。

猿使いの人が居ます。

今まで朝に4つ、夜に4つの餌を与えていましたが、経済的に困難となり、餌を一つ減らすことにしました。

そこで、猿に「朝3つ、夜4つ」の餌にすると提案しました。

すると、猿は餌が減らされることに大騒ぎをしました。

そこで、猿使いは、「朝4つ、夜3つ」でどうだと猿に提案しました。

すると、猿は手を叩いて喜んだ。という話です。

金鯖を含めてすべての人はこの猿です。

目の前の利益や損には大きく反応するのに、未来の利益やリスクを低く見積もります。

要するに、多くの人は、不確かな将来の大きなリスクよりも、目の前にある便利でファッショナブルな暮らしを選択するということです。

高校在学中、金鯖はこの故事成語を勉強して、その意味が良く分かりませんでした。

しかし、今の金鯖は、「朝三暮四」が現実にいくらも転がっていることが分かります。

この「朝三暮四」という故事成語が出来た時代から、人の世は何も変わっていないことも分かります。

人は、数年前に経験した壮絶な東日本大震災という現実にも、何も学ばないという現実に愕然とすると同時に、それが人の逞しさとも思います。

しかし、この日本という国に住む以上、大地震は必ずやってきます。

誰も逃れることは出来ません。

俺は大丈夫という話ではないと思うのですが。